小児歯科

主に乳幼児期から永久歯が生え揃う12歳〜13歳くらいまでを対象とした歯科診療です。

虫歯の治療や予防だけでなく、健康的に永久歯が生え揃うこと、大人のお口の機能を良好に育てることをサポートしていきます。

また、うらかわ歯科医院では、矯正歯科を併設しています。定期検診のタイミングで歯並びや噛み合わせのチェックもしており、適切なタイミングで矯正治療をすることができます。


子どもは、精神的にもまだ未発達です。歯科治療に「怖い」というイメージを抱くことなく、安心して歯科治療が受けられるように配慮していきます。

子どもの虫歯治療

乳歯は永久歯よりも虫歯になりやすく、虫歯の進行が早いという特徴があります。歯の大きさが小さいので、虫歯で穴があくと、神経の治療になってしまうことが多いです。

虫歯になる前に「予防」をすることが大切です。

子どもの虫歯治療

子どもの虫歯治療の方法

虫歯の治療方法は、基本的には永久歯の虫歯を治療と変わりません。

虫歯になってしまった部分を削り取り、詰め物などで修復をします。虫歯が大きくなり歯の神経にまで達してしまっている場合には、神経を取る治療になります。

小さな虫歯の治療


神経にまで達していない虫歯の場合には、虫歯部分を削り取り、詰め物をする治療を行います。詰め物には、コンポジットレジンという材料が使われることが多いです。歯科用プラスチック樹脂で、ペースト状になっているものを詰めて、光を照射して固めます。

残っている歯の状況によっては、型取りをして詰め物を作製してから接着させることもあります。

削る時に痛みを感じるようであれば、局所麻酔を使って治療を行います。

神経を取る虫歯の治療


虫歯が神経にまで広がっている場合には、神経を取る治療を行います。局所麻酔をして、神経を取り除き、虫歯に侵された歯質も取り除きます。

神経を取った後、中がきれいになったら最終的なお薬を入れます。子どもの場合は、いずれ歯の根は吸収されていくため、中に入れるお薬も吸収されるものが入ります。

神経を取った後は、詰め物や被せ物をする治療が行われます。

治療が難しい小さなお子様の場合


うらかわ歯科医院でのお子さんの治療は、小児歯科の専門的なやり方を踏襲しています。

■3歳までのお子さんの特徴

一見聞き分けが良いお子さんのようでも、2歳までは、虫歯の治療が難しいことが多いです。進行止めを塗って、3歳になってから本格治療に入る場合があります。

しかし、2歳でも、しっかり治療しないと、今後、のトラブルが拡大すような場合は、無痛で短時間の治療を、抑制具を使用して行います。

歯科治療へのトラウマなどを心配されることがありますが、無痛で短時間で行い、その後、しっかり定期健診などでサポートしていくことで、お子さんは、楽しく歯科医院に来られるようになります。

幼児のうちの、重篤な虫歯は、顎の成長や歯並びに悪影響を及ぼします。小児歯科の専門的な観点から、最善の治療法を選択していきます。

自分のお子さんが、初めて歯の治療を受けることは、お母様としては、少しショックだと思います。治療のやりかたや、お子さんの取り扱いの仕方など、事前にしっかり説明したうえで、治療に入るようにしています。

■3歳の壁

3歳をすぎると、成長のトラブルなどがない限り、お子さんは、少しずつ治療に適応できる状態になります。治療に対して、恐怖心のあるお子さんや、初めて虫歯治療をするお子さんに対しては、治療に対する恐怖心などを取り去るように、治療前に、病院ツアーをしたり、椅子の上で、まずは、器具などを使って、ごっこ遊びなどをして、治療導入していきます。

小さな頃から、お口のケアに慣れて、予防をする習慣をつけていただいたお子さんは、そういう習慣のないお子さんに比べて、成人してからの歯科的疾病の保有率が低い傾向にあります。

きれいなお口は、健康の第一歩。気軽に歯医者さんの扉を開けてください。

子どもの虫歯を放置するとどうなる?

乳歯はいずれ永久歯に生え変わりますが、虫歯を放置してよいわけではありません。

乳歯には多くの役割があります。子どものお口の健康な発達を促し、次に生えてくる永久歯が健康に正しく生えてくることを促します。

歯に大きな穴があくと、そのスペースに、後ろの歯がずれてきて、永久歯の歯並びも悪くなっていきます。虫歯がその後の歯並びや顎の状態を悪くしてしまうのは、あまり知られていませんが、成人の不正咬合を見て、幼少期の口腔ケアを想像できるケースも、見かけます。

<乳歯の役割>

咀嚼する


食べ物を噛み切ったり、噛み砕いたりすることで、しっかり栄養を吸収します。またよく噛むことで顎の発育を促し、顔の形を整えます。虫歯になりうまく噛めなくなると、顎の発育にも影響します。

ごはんを食べるこども

発音する


乳歯が在ることで、正しい舌の位置を身につけ、言葉を上手に発音できるようになります。

虫歯になると正しい発音が身につきません。

笑顔の子ども

意外と知らない!永久歯の誘導


乳歯のすぐ下には、これから生えてくる永久歯があります。生え変わり時期になると、乳歯の根は次第に吸収され、歯の頭の部分だけになると抜け落ちます。乳歯は、永久歯が生える位置を誘導する役割があります。

乳歯の虫歯が大きく、歯の根の先にまで炎症が広がると、乳歯の下で育っている永久歯の歯の質が悪くなってしまったり、永久歯が、その場所をさけて、違うところに出てきてしまったりして、歯並びが悪くなることもあります。

また、前に書いたように、隣接する歯が、虫歯でできたスペースに倒れこんだりして、歯並びが悪くなることもあります。

子ども 歯科検診

子どもの予防歯科

乳歯は虫歯になりやすく、また虫歯になるとあっという間に進行してしまいます。

虫歯になる前に予防をすることが大切です。虫歯予防を継続して行っていくことで、定期的に歯科受診をすることになり、虫歯の早期発見にもつながります。

歯みがき指導


虫歯予防には、毎日の歯みがき習慣が大切です。お子様が、歯みがきを積極的に行うことができるように、歯みがきのやり方の指導をしていきます。また、仕上げみがきのポイントを保護者の方にもお伝えしていきます。

歯みがき指導

フッ素塗布


フッ素(フッ化物)を塗布して歯面に作用させることで、歯の質を強くし、虫歯菌の出す酸から守ります。特に生えたばかりの歯は、歯の表面がまだ未成熟のため、フッ素の利用が効果的です。

フッ素は、自宅で使用する歯みがき粉にも含まれていますが、歯科医院では、自宅で使用するものよりも高濃度のフッ素を安全に塗布することができます。

また、プロフェッショナルクリーニングによって、普段歯ブラシだけでは取れにくい汚れを取ってしまうので、その後に施すフッ素が、効率良く、歯の表面に吸収されます。


歯科医院の”リーニングと高濃度フッ素”のケアは、とても強力な予防手段なります。

自宅用のフッ素と併用して、定期的に歯科医院で塗布することをおすすめします。

フッ素塗布

シーラント


虫歯になりやすい歯の溝に、プラスチック材を薄く流して埋める処置です。特に乳歯の奥歯や6歳臼歯に施します。歯を削らずに接着させるため、痛みもありませんし歯を傷めることもありません。少しの間お口を開けたままにできるようになると施術できます。

シーラント

定期検診


予防歯科に通院していただきながら、定期検診を行います。

定期的にお口の中をチェックすることで、虫歯を早期に発見することができ、歯並びや噛み合わせ・お口の発達の状態も診ていくことができます。

定期検診を受けることで、適切な時期に適切な治療を受けることができるようになります。

定期検診

「Vキッズ」は、乳歯列が生え揃った3歳から使える、取り外し式の「口腔育成装置」です。寝ている時に下の歯に装着します。


矯正治療とは異なり、お口の健康的な成長を促す治療になります。顎の位置と舌の位置を正しい場所に導き、お口の中の空間が広くなり呼吸がしやすくなります。また、噛む力が顎に伝わりやすくなり、顎の発育を促します。

睡眠時の呼吸が楽になることで、良質な睡眠が取れるようになります。

Vキッズ

次のような症状がある方は、良質な睡眠が取れていない可能性があります。


  • 就寝中にいびきをかいている
  • 口を開けて寝ている
  • 寝起きが悪い
  • 歯ぎしりをする
  • 日中の集中力が無い
  • ぼーっとしていることが多い
  • 口がよく開いている
  • 目の下にくまができている など
寝ている赤ちゃん

Vキッズにより口腔機能の育成を行うことで、睡眠もしっかり取れるようになると、子どもの健全な成長発育につながります。

子どものお口を健康に育てていくためには、その時期にしかできない治療、その時期にこそできる治療を適切に行うことが大切だと考えています。


子どもの舌の異常・上唇小帯の異常

子どもの粘膜の異常には、舌の下にある筋(舌小帯)が短いケースや、上唇の付け根にある上唇小帯の付着位置が高いケースがあります。


舌小帯が短いと、舌を正しく動かすことができずに、発音の異常や歯並びの異常を起こしてしまうことがあります。また、上唇小帯の付着位置が高く、上の前歯の根本まで続いているような場合も、歯並びの異常などを起こしてしまうことがあります。

このような場合には、小帯の形成術を行い治療します。

正常なお口の発達を促すためにも、定期検診でチェックを受けるのが良いでしょう。自宅でも「あっかんべー」をしてみて、舌が前にしっかりと出るか確認してみましょう。

女の子