予防歯科

予防歯科とは、虫歯や歯周病になってから治療をするのではなく、そうなる前に予防をしていく歯科診療です。

虫歯や歯周病は、罹患してしまうと、放っておいても治りません。必ず治療が必要になります。

虫歯治療においては、一度削ってしまった歯は元には戻りません。治療をした歯が再び虫歯になることを繰り返していると、歯の寿命は短くなってしまいます。

歯周病では、気がついた時には、中程度〜重度の歯周病にまで進行していることが多く、歯を失う原因になります。

虫歯や歯周病は予防ができる病気です。歯の健康を長く維持するためには、予防歯科が大切です。

予防歯科では何をするの?

虫歯や歯周病など治療の必要がある箇所を直してから、定期的に受診をしていただき、予防プログラムを実施していきます。予防歯科では、患者様のお口の中を総合的に見て、一人ひとりに合った予防プログラムを実施していきます。当院では次の項目を中心に定期検診・予防歯科を行っています。

定期的な口腔内診査


喫煙は、血流阻害や白血球の機能の低下を招きます。

インプラント治療では、喫煙していると「骨との結合が弱くなる」「炎症が起きやすくなる」などのトラブルが起こりやすくなります。そのため治療が長引いてしまうことや、骨との結合がうまくいかないケースがあります。

また施術がうまくいっても、「インプラント周囲炎」に感染するリスクが高くなります

インプラントと喫煙は非常に相性が悪いです。

インプラントを希望する場合には、できるだけ長くインプラントを使い続けるためにも禁煙をするようにしましょう。

口腔内検査

プラークコントロールと歯石除去


虫歯と歯周病の予防には、細菌の集まりであるプラークをしっかりと除去することが大切です。普段は除去しきれないプラークを除去し、コントロールできるようにしていきます。

また、毎日の歯みがきでしっかりと汚れが落とせるように、ブラッシング指導を行います。プラークは付着し続けると、唾液の成分によって石灰化して「歯石」となります。歯石になると自分では除去することができません。歯科医院で歯石除去の施術を受ける必要があります。どんなに丁寧にみがいていても、半年も経てば歯石が付着してきます。定期的に歯石除去を受けることが大切です。

プラークコントロールと歯石除去

PMTCは「プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング」の略です。

歯科衛生士が専用の器械を使って、専門的に行う歯のクリーニングです。

PMTCでは、歯面に付着したプラークや細菌の集合体を隅々まで破壊して落としていく施術です。自分では除去しきれない汚れを落とし、表面を滑らかにすることで、汚れが再び付着しにくい状態にします。細かな着色汚れも除去することができます。

定期的にPMTCの施術を受けることで、虫歯や歯周病になりにくいお口の中の環境をつくることができます。

保険診療で一部のクリーニングを受けることが可能ですが、より丁寧にしっかりとメンテナンスを行う場合には、自費診療の歯のトリートメントもお受けしています。

PMTC・歯のトリートメント

口の中に入った人工物のメンテナンス


虫歯などの治療で、被せ物や詰め物を入れた場合、その部分が二次的に虫歯になるリスクがあります。被せ物や詰め物と天然の歯との隙間から、虫歯ができてしまうのです。

歯科医院で行う虫歯治療の多くは、このような二次虫歯によるものです。

詰め物や被せ物を入れた場合には、定期的に二次虫歯になっていないかのチェックを受け、自分で落としにくい汚れの除去を受ける等のメンテナンスが必要です。

噛み合わせにズレが生じている場合には、噛み合わせの調整も行います。

治療説明

噛む力から歯を守る噛み合わせのコントロール


噛み合わせはお口の中全体のバランスに関わります。どこかに大きな負荷がかかっていると、噛み合わせが崩れて、周囲の筋肉のバランスまで崩れてしまいます。

また、強い負担がかかっている歯は、破折や欠けてしまうリスクが高くなり、歯の寿命が短くなってしまうことがあります。

噛む力のバランスを考えて調整し、お口の中を総合的に見た治療や予防を行っていきます。

噛み合わせ

全身を健康に保つためのカウンセリングとアドバイス


お口の健康は、全身の健康にもつながります。

お口は「食べる」「話す」「呼吸する」「表情をつくる」など、楽しく生きていくために重要な役割をたくさん担っています。そのお口の健康を保っていくサポートをしていくのが歯科医院です。

単に虫歯や歯周病を治すだけでなく、予防歯科を通してお口の健康を長く維持していけるようにサポートしていきます。

また、お口は健康のバロメーターとも言われています。

例えば免疫力が低下すると、歯周病が進行しやすくなったり、口の中の粘膜全体が弱ってしまうこともよくあります。また唾液の量が少なくなってくることが全身の異常の一つの現れであることがあります。

お口の中の異常から、全身の病気を発見することもよくあります。

定期的にお口のチェックをする際は、広範囲にわたる異常を見落とさないように努めています。必要であれば、他科の受診のお手伝いをしています。

カウンセリング

定期検診はどのくらいの頻度で受けるのが良いの?

3〜6か月に一度の定期検診をおすすめしています。

お口の中の状態により期間は異なり、歯や歯周病のリスクが高い方は3か月、コントロールができている方は6か月が目安となります。

患者様、一人ひとりのお口の中の状態により、最適な定期検診の頻度をご案内します。

子どもの虫歯予防

お子様の歯を守るために、虫歯予防を始めましょう。

当院では小児歯科診療もしており、子どもの虫歯予防も行っています。子どもは、乳歯の時期〜永久歯への生え変わりの時期があり、お口の状況が変化する時期でもあります。

歯は「食べる」「話す(発音する)」など、子どもが健やかに成長・発育するための大切な器官です。予防歯科で虫歯にしない健康なお口をつくっていきましょう。

定期的に受診していく中で、虫歯の予防や早期発見だけでなく、生え変わりの状態や、歯並びの状態も継続して診ていくことができます。

フッ素塗布


フッ素は、歯を強くする作用や抗菌作用、再石灰化作用があります。歯科医院の「フッ素塗布」は、歯面にフッ化物を作用させて、虫歯予防を行うものです。小さなお子様でも、お口を開けられるようになったら、行うことができる処置です。

フッ素は歯みがき粉などにも含まれていますが、歯科医院で取り扱っているものは、もう少し高濃度のものになります。適正に管理されたものを安全に塗布していきます。定期的に塗布をすることで、より効果的に作用します。

乳歯は永久歯よりも歯質が虫歯になりやすいです。また、生えたばかりの永久歯も表面が未成熟なため虫歯になりやすくなっています。

定期的なフッ素塗布で歯を守っていきましょう。

子どもの歯科検診

シーラント


シーラントは、歯の溝を薄く埋めることで、虫歯菌の付着を防ぎ、虫歯を予防する処置です。

乳歯の奥歯や6歳頃に生えてくる永久歯「6歳臼歯」に応用されることが多いです。

歯の溝は虫歯の好発部位ですが、溝が深く複雑な場合が、丁寧に歯みがきをしても汚れを落としきれないことがあります。

そのような場合に効果的なのがシーラントです。

歯を削ることなく、歯の表面を薬剤で処理をして、シーラント剤を流し込み固めるものです。少し長い時間お口を開けたままにできるようになると、処置が可能になります。

シーラント